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【介護アドバイザーコラム】高齢者の運転について


こんにちは。wiwiw介護アドバイザーの角田です。

 

休日の高速道路を走っていると、視界に入る車は皆ピッカピカで、傷もありません。
「日本の車はどうしてこんなにきれいなのだろう」と感心します。

 

一方、街中やスーパーや病院では、こすり傷やべこっと凹んだ跡がある車を見かけることが
多くなりました。運転している人を見ると、高齢者が多いです。

 

車を運転するには一連の操作を順序よく行い、交通規則に従って発進停止、加速減速、右左折、
車線変更等を適切に判断する必要があります。
道順を記憶し、地図を読み、カーナビを使いこなす能力も求められます。
「信号を右折しようと思ったのだが、咄嗟に身体が動かなくて直進してしまった」というように、
運動能力も大切な要素です。
これらを考えると、車の運転は、高度で総合的な能力を必要とする行動なのです。

 

高齢になれば誰でも若いときより運転能力が衰えて危険な運転が増えますが、認知症になると
その危険性は計り知れません。
車は走る凶器と言われるように、本人が怪我をするだけではなく、他の人の命まで奪う可能性が
あります。死亡事故が起こったときに「認知症だからしかたない」と許せる遺族がいるでしょうか。

 

「認知症が疑われる運転行動(熊本大学医学部の池田学教授作成)」をNHKの番組が紹介していました。

 

①センターラインからはみ出す
②車庫入れに失敗する
③車の傷が急に増える
④運転中に行先を忘れる
⑤話しかけると運転に集中できない
⑥車間距離が短くなる

 

これらの行動が気になったら、運転を止めてもらうことを真剣に考えなければなりません。

 

認知症の人が運転を止めたケースを聞くと、
「運転中にとても怖い思いをしたから。道に迷って何時間もさまよったときから不安が大きくなったから。車がボコボコになってもう駄目だと悟ったから」というように、家族の忠告よりも本人の自覚が止めるきっかけになっているようです。

 

認知症の進行に合わせて、いずれは運転できなくなる日が来るでしょうが、その前に人身事故を起こしたら取り返しがつきません。

 

「止めてほしい」とどう伝えるかですが、本人の不安や寂しさや悔しさに寄り添い、プライドに配慮しながら、危険性をわかりやすく話すことと、「あなたのことが心配でたまらない」という思いを言葉にして納得してもらうといいと思います。

家族の話に耳を貸さない人には、医師や第三者からの説得が有効で、警察署や交番でも事情を話せば対応してくれるそうです。

運転免許試験場・センターに設置された運転適性相談窓口に相談するのもよいでしょう。

 

また、運転を強制的に止めてもらうために、鍵を替えたり、タイヤをパンクさせたり、ガソリンタンクを空っぽにしておく人もいます。

車が動かないような工夫をして、「車が動かない」と言われる度に「おかしいね。修理を頼んでおくね」とか、「修理に来てくれることになっているから」と言い続けた例もありました。

 

認知症の人が運転しなくても済むような態勢作りも欠かせません。

家族が代わりに運転できれば何よりですが、それが叶わない家も多いでしょう。
タクシー会社に自宅の電話番号と住所を登録し、登録した電話から連絡すれば家まで迎えに来てくれるサービスがあります。
また、マイクロバスで患者を送迎している病院もあります。
ボランティアや移送サービスを利用できるか社協やケアマネジャーに相談するのもよいでしょう。
生協やスーパーの宅配や配食サービスなど、便利なサービスについて情報を集めてみるといいでしょう。

 

認知症の人の命を守るためにも、何度も何度もお話しして運転を諦めてもらえるといいですね。

 

次回は、免許証の返納と運転免許更新時の認知機能検査(通称:講習予備検査)についてお伝えします。

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つのちゃん

介護家族のご相談をたくさん受けてきて、いろいろ学ばせていただきました。それを皆さんにお返ししたいなと思っています。

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