介護アドバイザーの角田です。
日本人はどこで最期を迎えているのでしょう。
1951年には、自宅で亡くなった人が82.5%、診療所と病院は11.7%でした。
ほとんどの人が住み慣れた我が家で家族に看取られていたようです。
それが1975年ごろに逆転し、2005年には自宅が12.2%に激減し、診療所と病院が82.4%と大多数を占めるようになりました。
その後、少しずつ診療所と病院で亡くなる人が減ってきて、2022年の厚生労働省「人口動態統計」では、
病院と診療所は65.9%になっています。
自宅が17.4%、施設や老人ホームは14.9%です。
ここで、ハッと気づきました。
「サービス付き高齢者向け住宅」や「グループホーム」はあくまでも自宅に分類されるため、これらの
住まいで亡くなった場合は「自宅での死」になるのです。
実際には住み慣れた我が家で死を迎えられる人はもっと少ないのではと思います。
こんなことを考えたのは、「あなたのおみとり」という映画を観たからです。
末期がんの父親を自宅で母親が介護する日常を、息子で映画監督の村上浩康氏がカメラを回した
ドキュメンタリー映画です。
介護保険サービスを使い、自宅で看取るとはこういうことかと、リアルに知ることができ感動しました。
私の祖父母は病院で亡くなりました。義母と実母は施設で、義父と実父は病院で亡くなりました。
その6人の死に目に私は会えていません。
もし、自宅での看取りだったらどうだったろう。
父は「畳の上で死にたい」と申しておりましたが、病院のベッドで、周りに誰もいない時間帯に
旅立ってしまいました。
人は自分で亡くなる時間を選ぶと聞いたことがありますので、父は立派に一人で人生を締めくくったのだと思うことにしています。
最期の時間に一緒にいられるといいなと思いますが、仕事をしていたら叶わないこともあるでしょう。
でも、それでいいのかもしれません。
人が死ぬ時間も場所も、人生の流れの中で決まっていると思うからです。
あなたのご両親は最終章をどこで迎えるか、秋の夜長に思いを馳せてみませんか。
つのちゃん
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