介護アドバイザーの角田です。
電車で座っている人のほとんどがスマホを見ていますね。
立っていても多くの人がスマホを操作しています。
電車に乗っている間に、ドラマや映画、ニュースを見たり、SNSで連絡を取り合ったり、仕事の情報を確認している人もいます。
また、何時にどこでをあらかじめ決めなくても、お互いにスマホで空き時間と居場所を確認し合えばタイミングよく会うこともできます。
かけた時間に対する効果の割合をタイムパフォーマンスといいますが、タイパがいいことが重要視される
時代になっていると感じます。
「タイパがいい」で思い浮かんだのは、「きっちり」「ぴったり」です。
ビジネスシーンで時間管理が適切に行われているイメージです。
一方で「せかせか」という副詞も頭をよぎりました。
「せかせか」の類義語には「そわそわ」「わさわさ」があり、態度などが気ぜわしく、落ち着かないさまを指します。
英語では(to be)restlessが紹介されていたのでなるほどと思いました。
ものごとにはいい面があれば悪い面もあるので、タイパにも二面があると思います。
私はIT音痴なため、職場の人たちにいろいろ教えてもらうのですが、パソコン操作の速いことに驚きます。
キーボードを打つのが速いのはもちろんのこと、ピピピッと理解してサササっと処理をしてくれるので助かっています。
ここに年齢を感じるのですが、他の面ではまだそれほど遅いと思うことはありません。
しかしこれから年を重ねたら自分の遅さに戸惑う日が来るでしょう。
認知症になったら、もっと困るでしょうね。
認知症の人と接するときに心掛けたいことの一つに「せかさずに待つ」があります。
認知症の人に話しかけても返事がないと、話を先に進めてしまったり、話しかけるのを止めたりするのは
よくあることです。
周りの人はポンポンと言葉のキャッチボールができないとイライラしてしまうのですね。
そのとき、認知症の人は一生懸命言葉を探していて、やっと言葉が見つかったときには、返事を必要とされていない状況になっています。
これが続くと、認知症の人は、会話の輪から外されてひとりぼっちになってしまい、寂しさ、悔しさ、情けなさなどいろいろな感情がわいてきます。
出来事は忘れてしまってもそのときに味わった負の感情はずっと残って、生きづらくなってしまうそうです。
動作についても同じことが起こっているでしょう。
認知症になっても安心して生きられる社会は、タイパ重視の世の中ではないような気がします。
認知症の人のペースに合わせて、せかさずに待つ。
私も誰かに待っていてもらえたらうれしいな。
つのちゃん
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