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歯なしの話


 

wiwiw介護アドバイザーの角田です。

 

今年最後のブログですね。

 

私は今、若い頃に詰め物をした奥歯が虫歯になり、歯医者に通っています。

これまで金属を詰めていたのですが、今度は白い歯にする予定です。金属より弱いらしいですが、

「白いほうが目立たない」と言われて決めました。

 

白い歯ときくと、10数年前のことを思い出します。高齢者施設に入所していた女性の歯が白く揃っていたので、「歯がきれいですね」と声を掛けました。すると「入れ歯を褒められてもうれしくない」と言われてしまい、フォローの言葉が出ませんでした。それ以来、歯を褒めるのは難しいと自戒しています。

 

また、歯にまつわることで人間ってすごいなと思ったことがあります。

高齢者の口腔ケアに関する調査に加わったとき、歯が全くない80代の女性を担当しました。

「10年前に総入れ歯にするために歯を抜いたが、事情があって入れ歯はつくらなかった。それ以来、歯茎でものを噛んでいる。今では、するめとたくわん以外は何でも食べられる」とのこと。

総入れ歯をはずすと、口の周りにシワができてくぼんだように見えます。歯がない人は皆そうなるのだろうと思っていたのですが、その方は整った顔立ちで、歯がないことに気づきませんでした。長年歯茎で噛み続けたため、顔の筋肉のバランスがとれているのかもしれません。声も話し方もごく普通でした。

“歯がなくても食べられる”という目から鱗の経験でした。

 

今年話題になった“ひふみん”こと加藤一二三九段。

担当した歯科医によると、将棋の対局中に歯を食いしばり過ぎたせいで前歯が抜けてしまったそうです。加藤氏はテレビ番組で、前歯を入れたら「頭の働きが止まってしまった」。花を見ても美しいと思えないなど「感動というものがなくなった」ので、生涯あのままでいるそうです。食欲旺盛でおいしそうにサーモンステーキを食べていました。

 

もう一つ、歯科医から聞いた話。

「『高齢の親がものを食べなくなったので、よい入れ歯をつくってほしい』という依頼が来るが、食べる能力がなければ入れ歯を入れても食べられない。ベッドで寝たきりの人に金の杖をつくれというのと同じだよ」。

食べる能力=咀嚼嚥下(そしゃくえんげ)機能が大事で、入れ歯はそれをフォローする道具なのだそうです。

 

咀嚼嚥下機能を保つ方法として、

①仰向けに寝て、首だけ起こして1分会田

②唾液腺(耳下、舌下、額下)を刺激する

③スルメトレーニング…するめ1本を口に入れ、舌で左右の奥歯に交互に移動させながら噛み続け、飲み込みやすい状態になったら終了。1日3本

の3つを歯科医に教えてもらいました。

 

実際には、入れ歯をはめていない人ははめている人より誤嚥性肺炎を起こしやすい、歯がなかったり入れ歯が合わなかったりするとよく噛めず、消化不良を起こしたり小食になって低栄養に陥るなど、歯がないことの弊害は大きいといわれています。

 

かかりつけ歯科医をもって、定期的に歯科検診を受けることが大事だそうです。

 

来年は、家族皆で歯に関心をもってみませんか。そして、スルメトレーニングを是非親御さんに勧めてみてください。

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つのちゃん

介護家族のご相談をたくさん受けてきて、いろいろ学ばせていただきました。それを皆さんにお返ししたいなと思っています。

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