介護アドバイザーの角田です。
新型コロナウイルスの感染を防ぐために、ステイホームが叫ばれています。
同世代の友人たちが、孫を預かれない、娘の出産の手伝いに行けないなど、働く子どもを助けられなくなってしまったと嘆いています。
遠距離介護をしている人から、「首都圏在住者と接触した場合、2週間の介護保険サービスの利用を停止する」という通達が県から出ているので、帰省できないという話を聞きました。
日ごろから、子どもが訪問しないと親の生活が成り立たないという状況をつくらない様に、介護サービスや地域の支援に繋がっておくことが大切であると実感しました。
さて、今回は高齢者施設の面会について報告します。
例年、インフルエンザが流行している地域では、外部からの感染を防ぐために、ほとんどの施設が面会を禁止します。介護老人保健施設では、洗濯物の受け渡しも一階の受付で行います。
今回のコロナ禍でも施設は面会を禁止していますが、より深刻なのはいつ終息するか先が見えないため、面会制限の期間が無制限となっていることです。
面会を楽しみにしていた高齢者は、このまま家族に会えないのではないかと不安で夜眠れなくなったという話を聞きました。
日常的な介助は施設の職員がしてくれますが、精神的な支えは家族であるという方は少なくありません。
どのように家族とつながってもらうかを施設も模索しています。
その対応策として、オンライン面会を紹介します。
スマートフォンやタブレットを使って、高齢者と家族がビデオ通話で話をします。
一例ですが、LINEアプリを入れた施設所有のスマホを高齢者に貸して家族と話してもらいます。
その場合、スマホのORコードを張り付けた手紙を家族に郵送し、家族は自身のスマホと友達登録をします。
あらかじめ「オンライン面会」を予約してもらい、その時間に職員は高齢者にスマホを渡して家族と会話をしてもらうという流れです。
顔が見えると話も弾み、元気が出たと好評です。
IT時代ならではの方法ですね。Zoomやスカイプでも可能です。
もちろん、高齢者自身が所有するスマホを使いこなせるのであれば、いつでも家族とビデオ通話を楽しめます。
一方で、葉書や手紙といったアナログのツールも、高齢者にとっては大変有効です。
家族の写真とともに宝物になり、何度でも読み返せるので、寂しさを埋めてくれます。
米マサチューセッツ州で、介護施設にいる母親(85歳)と、コロナでロックダウン前は毎日面会に行っていた父親(88歳)を何とか会わせてやりたいと考えた息子が、
高所作業車のかごに父親を載せて施設の3階で暮らす母親と窓越しの面会を実現させたというニュースを見ました。
高所作業車は一日レンタルしたそうです。
父親が「愛してるよ スイートハート(愛しい人)」書いたメモを掲げると、
母親は「私も愛しているわ。あなたが思うよりずっとね」という言葉を返し、息子は涙が溢れたそうです。
ここまでの親孝行はなかなかできませんが、気持ちはつながっているよというサインをいろいろな方法で送りましょうね。
つのちゃん
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