介護アドバイザーの角田です。
3月29日夜7時のNHKニュースで、環境省が全国の市区町村に「ごみ屋敷」に関するアンケート調査をしたところ、4割の自治体がごみ屋敷の存在を把握していて、5,200件余りのごみ屋敷があることが分かったと
報じていました。
全体の5.8%に当たる101の自治体は、ごみ屋敷に対応する条例などを制定していて、ごみの撤去だけでは
なく、住人の精神面や経済面の支援に力を入れているとのことです。
程度の差はあれ、実家のごみ屋敷化に悩んでいる人は少なくありません。
「冷蔵庫の中は賞味期限切れのもので溢れている」
「床だけでなく階段までものが積まれていて危ない」
「いらないものばかりで必要なものは見つからない」
ご両親がこれで良しとしている場合、子どもが口を出すとけんかになるケースも多いですね。
「死んでからすべて捨ててくれ」と言われたという話をよく聞きます。
同じ日のNHKの「ガンバレ!引っ越し人生」という番組で、72歳の男性が4LDKの一軒家から1LDKの
シニア向けマンションに引っ越すために、2トントラック3台分の不用品を業者に処分してもらっていました。
以前友人が、娘さん夫婦と同居することになり、4トントラック2台分の荷物を処分したと言っていたのを
思い出しました。
これが有料老人ホームや介護施設への引っ越しだったらもっと荷物を少なくしなければなりません。不要なものを処分するという発想ではなく、これからの暮らしに欠かせないものを選び出す作業が求められます。
また、介護保険の訪問介護サービスで掃除をしてもらう場面を想像してみましょう。
ごみ屋敷の片づけは、介護サービスの範疇を超えているのではないかと思います。
そこで、家全体の片づけは無理だとして、介護を受ける部屋とトイレ・洗面所・お風呂場、調理を頼むならキッチンのみを子どもが協力して片付けるという目標を立ててみてはどうでしょう。
だれでも、家が汚いことを非難されたくないし、大切なものを勝手に捨てられてしまうのは耐えられません。その気持ちをくんで、取捨の判断は本人に任せるというスタンスが大事で、故になかなか捨てられないと思いますが、少しずつ進められるといいですね。
これは、親御さんの介護のためですが、お亡くなりになった後、遺品の整理を楽にするための作業でも
あります。
私の友人は困難な仕事でも涙を流したことはなかったのに、親が住んでいた家の片づけをすることになり、途方もないものの量に圧倒されて泣いてしまったそうです。
そんなに大変なことなのかと、実はものが捨てられない自分の将来が不安になってきました。
皆さんは、いかがですか。
つのちゃん
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