介護アドバイザーの角田です。
先日、あるテレビ局の記者さんから軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment:MCI)に関する取材を受け
ました。
いろいろ感じるところがございまして、今日はMCIについて書いてみたいと思います。
MCIは、認知症と診断されるほど日常生活で困ることはないが全く健常とはいえない、認知症の前段階を
指します。
物忘れが多くなって認知症ではないかと不安になったご本人が、物忘れ外来や精神科クリニックを受診
して、「MCIですね」と診断されるケースが多いようです。
2012年の筑波大学の朝田隆氏による調査研究で、認知症の人は65歳以上人口の15%で462万人、MCIの人は13%で400万人いることが推計されました。
この数字から、翌年NHKは「“認知症800万人“時代 ”助けて“と言えない孤立する認知症高齢者」という
スペシャル番組を放送しました。
10年後の2022年に九州大学の二宮利治氏による調査研究が行われ、認知症の人は65歳以上人口の12.3%で443万人、MCIの人は15.5%で559万人と推計されました。
認知症の割合は減ったけれどMCIは増えていて、“認知症1002万人“時代が来たのかと驚きました。
親御さんの様子がおかしいなと感じてから、実際に認知症と診断されるまでに2~3年かかったという声を
よく耳にします。
この2~3年がMCIの時期だとわかっていたら、認知機能低下予防を実践して、認知症の発症を防いだり、
進行を遅らせたりすることができたかもしれません。
はて?
6月のブログでは「何をやってもなるときはなる」と書いているのに、今月は、「MCIの時期を見逃さないで認知機能低下予防に努めましょう」をアピール。
これをどう結び付けたらいいか。
高齢者だけでなく、ある病気になるときにはその前兆の時期があるらしい。
変調に早く気付くことができて、環境や暮らし方、ストレスへの対処を変えることができれば、もしかしたら発症を防ぐことができるかもしれないし、防ぐことはできなくてもその病気の受け止め方が変わるかも
しれないということかな。
MCIの人は確実に増えています。ご両親のことも心配でしょうが、あなた様ご自身がMCIかもしれないと
思ってくださいね。
職場にもきっといらっしゃいますよ。
つのちゃん
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