wiwiw介護アドバイザーの角田です。
「便りがないのは良い便り、親から電話が来ないのは息災にしているからに違いない」と、日頃の忙しさにかまけて、親御さんと疎遠になっていませんか。
もしかしたら、体調が悪くても子どもに心配を掛けたくないから電話をしてこないのかもしれないし、電話をするのも億劫なほどひきこもっているのかもしれません。
そこで、「親御さんが75歳を過ぎたら、子どもから電話を掛けましょう」と、介護セミナーで呼びかけています。
しかし、これには落とし穴がありました。
親が電話に出ないときはどうするかという問題です。
先週の土曜日の午後8時過ぎに、神奈川に住む夫の姉から「父が電話に出ないんだけど」という電話がありました。夫は、「もう寝ているだろうから明日掛けてみるよ」。
翌日曜日、夫と義姉は、義父の携帯と家の電話に何度も電話をしましたが、応答なし。電話に出られない状況をあれこれ想像すると、居ても立っても居られなくなりました。
義父は92歳で一人暮らしなので、誰かに様子を見に行ってほしいのですが、向かいのおばさんとお隣のご夫婦はすでに亡くなっているので、頼める人がいません。地域包括支援センターは休みです。
金曜日に行ったはずのデイサービスセンターに確認すると、「普段と変わりなかった」とのこと。金曜日の夜以降に義父に何かが起こったに違いありません。
夫は新幹線で実家に行く準備を始ながら、「あっA君に頼んでみよう」と幼馴染の顔を思い浮かべました。A君とは家族ぐるみの付き合いで、義父もよく知っています。
A君からの連絡を待っていると、
A君:「家に着いたけど、車がないよ」
夫 :「もう年だから車検の前に手放したんだ。玄関の鍵は?」
A君:「掛かってない。入ってみるよ」
義父は居間で大音響でテレビを見ていて、「どうしたんだい」と驚いていたそうです。
最悪の場合も考えていた私たちは、拍子抜けしてしまいました。そして、良かったと心から安堵しました。
居間にあった電話の子機は故障していて、親機は玄関のげた箱の上なので、呼び出し音が耳の遠くなった父には聞こえませんでした。また、携帯電話は寝室の枕元に置いてあって、居間や台所からは着信音が聞こえなかったようです。
A君からは、「今日は突然のことだったから対応できたけれど、これからずっと見守ることはできないよ」ともっともなお言葉。場合によっては、A君を警察沙汰に巻き込んでしまったかもしれないのです。
改めて、緊急事態に備えた連絡方法を家族で考えねばと思いました。義父は、警備保障会社の緊急通報装置をもつのを嫌がるので、デイサービスに行かない火・木・土・日曜日の午後7時頃にこちらから電話をすることにしました。併せて、携帯電話を家の中でも持ち歩くことを約束してもらいました。
義父も子どもに心配をかけたことを申し訳なく思ったのか、今週の火曜日の朝、「今日は医者と銀行にタクシーで行くから、昼間はいない」と電話をしてきてくれました。
これからまた義父と連絡が取れなくなる事態が起こるかもしれません。そのときには、同じ市内に住む夫の従弟に頼むことにしました。今回、玄関が開いていたのでA君に家に入ってもらえましたが、普段は鍵がかかっています。実家の鍵を従弟に預けるかは検討中です。
皆さんも、親御さんとの連絡方法を話し合って、遠方の場合は、いざというときに実家に駆け付けてくれる人を探しておいたほうがいいですよ。
つのちゃん
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